『文化的処方のはじめの一歩』
実はこの一冊は、「まちの図工室」と深くつながっています。
医療や福祉の枠組みを越えて、
地域の日常の中から立ち上がる「文化とケアの交差点」が丁寧に紹介されています。
なかでも、三重県名張市の「すみた酒店」の事例(P14)は、
まちの図工室と同じまちに根ざす、まさに隣人たちの営みです。
(角田さんご夫妻にはとてもお世話になっております!)
200年以上続く商店のご夫婦が、
影絵を通して地域の子どもたちやお年寄りとつながり、
自分たちの「好き」が誰かの力になっていく。
そこには、「文化的ケア」のかたちがありました。
さらに、この冊子には、福本先生自身も執筆者として関わっています。
「文化的処方」を制度や事業だけではなく
もっと素朴な生活の手触りから考えたい
その思いをもって図工室の実践も取り組み続けたいと思います。
書籍:文化的処方のはじめの一歩 : 暮らしにアートを処方する
発行:国立アートリサーチセンター / 東京藝術大学「共生社会をつくるアートコミュニケーション共創拠点」
出版日:2025年3月3日
著者:西智弘, 伊藤達矢, 稲庭彩和子, 福本塁
ISBN:978-4-911341-06-3 (デジタル版)